ミッドシップのクセを学ぶには最高の一台といわれるMR2。将来、フェラーリなど高性能MRを自在に操りたいという大志のある若者はぜひ中古車で程度のいい物を見つけて乗りつぶして下さい。
●AW10系(1984年-1989年)
日本車初のミッドシップエンジン車で、1984年6月に販売が開始されました。
安価で量産性を高めるため、足回りとエンジン、ミッションは前輪駆動車(E80系カローラ)を流用し生産されました。
ノンパワステ車ですが、据え切りこそ重いと感じるものの、走り出してしまえばノンパワステ車である事は感じさせず、また、ミッドシップとであることから路面状態を忠実にドライバーに伝えてきます。ただし、高速度領域ではそのフロント周りの軽さから恐怖を感じることもあります。
元々の台数の少なさ故に、中古車価格は一定の相場で推移しています。
AW系は、スポーツカーであるものの程度が悪い固体が少なく、丁寧に扱われてきた車両も多いのが特徴です。トヨタからの部品供給も問題なく行われているのでまだまだ長く乗れる車種といえるでしょう。
1989年10月、初のモデルチェンジを行い、SW20型となります。
初代はカローラのコンポーネンツを流用して、安く、軽く作られていたのに対して2代目は、ボディサイズもエンジン排気量も拡大し、本格的なスポーツカーへと進化しています。
初代MR2から比較すると価格が高額化し手ごろ感も減少、発表当初は様々な自動車評論家から、「危険なクルマ」「買ってはいけないクルマ」などと酷評されました。
しかし、マイナーチェンジを繰り返すことにより性能が劇的に向上。
延4回のマイナーチェンジを経て、5ナンバースポーツモデルとしては現在でも通用する高性能有するに至りましたが、スポーツモデル自体の人気低下のあおりを受け、1999年10月にライト層にターゲットを絞った後継モデルMR-Sへとその座を譲り生産終了となりました。
なお、ATは自然吸気エンジン搭載モデルのみに設定されており、ターボモデルは5MTのみの構成です。
●MR2オススメモデル
狙い目は性能が向上した2代目のマイナーチェンジ後、通称U型以降のモデルです。
予算が少なめなら20万円前後から探せる初代MR2(AW10)の低年式を選ぶしかありませんが、余裕があるなら性能が格段に向上した二代目MR2(SW20)のマイナーチェンジ後モデル(通称2型)以降のモデルを狙うことをオススメします。
また、ターボとNAどちらを選ぶかですが、中古車市場では自然吸気とターボに価格差があまりないため、どちらか迷っているならパワフルなターボモデルがオススメです。しかし、ターボモデルは程度のいいものが少ないため見極めが大切です。
●中古車チェックポイント
トヨタMR2の購入時のチェックポイントとしては、購入時にできれば試乗をして走行状態や電動装備の動作をチェックすることが必要です。
MR2の中古車はスポーツカーとしての性質上、峠道やサーキットなどで酷使されたものが多く、そのため、実際に試乗してエンジンからの異音やブレーキの利き具合、ミッションの入りやすさなど走行に関する装備のチェックが必要不可欠です。